ハゼの研究をお続けに
なられている今上陛下。

そして魚類研究の世界では
一目置かれる存在となっているさかなクン。

同じフィールドでの活躍ではありますが、
接点となると、「ん?」と
首を傾げてしまいますよね。

ところがやはりと言うべきでしょうか。

実はこんなエピソードがありました。

平成21年(2009年)の話です。

10月にさかなクンが働く
東京海洋大学品川キャンパスにおいて
日本魚類学会の年会が開かれました。

学会では様々な
研究発表が行われ、
さかなクンも熱心に聴講します。

そこにお見えになったのが、陛下でした。

学会へのご出席は
3年ぶりとのことで、
大講義室にて2時間に
わたり聴講されます。

ついでに、別室でポスターによる
発表展示をご覧になられました。

事態が動くのはそのあとの懇親会。

約400名もの参加者の中、
さかなクンも陛下にお目通りを果たします。

さかなクンが学会資料に
魚の絵を描いたことに触れ、
陛下がページをめくりながら

「あなたが描かれたんですね」と
お返しになり、子供への魚の
啓蒙活動に感心されるなどの
やりとりが交わされました。

頭のハコフグに関しては
一切スルーされたようです(笑)

懇親会後のメディア取材では
「緊張しました」を連発したさかなクン。

しかし、陛下とのエピソードは
もちろんこれだけでは終わりません。

さて、秋田県田沢湖にはかつて
生息していたクニマスと言う魚があります。

生息していた、と言うのは1940年頃に
絶滅したとされていたからです。

原因は開発による環境悪化でした。

水力発電所で使用する水の供給のために
塩酸を含む毒性の強い玉川の水を
田沢湖に流入させたことで、
pHが4.8前後と急速に酸性化し、
クニマスは死に追いやられたのでした。

平成22年(2010年)、京都大学の
魚類学の教授である中坊徹次氏が
さかなクンにある依頼を申し出ました。

それはクニマスのイラストを
描いて欲しいと言うもの。

さかなクンは快く快諾し、
しっかり描かねばと、
資料を収集し始めます。

とはいえ実物のクニマスを
入手することはできません。

さかなクンは近似種である
「ヒメマス」を全国から取り寄せました。

ところが、山梨県の富士五湖の一つ
西湖から取り寄せたヒメマスが、
どうも変なのです。

ヒメマスのはずなのに、
見れば見るほどクニマスのようなのです。

さかなクンは中坊教授にその旨を報告。

早速、京大では遺伝子楽や
解剖学による分析が行われました。

結果はビンゴ。

この個体はヒメマスではなく絶滅したはずの
クニマスであることが判明しました。