オランダと日本の仲があまり
良くなかったという事実を
ご存知でしょうか?

そして、実はこの対日感情が
改善されたのは、

天皇皇后両陛下のおかげなのです。

今回は、オランダで感動を呼んだ

天皇皇后両陛下の
エピソードをご紹介します。

昭和17年、太平洋戦争下の
日本軍はインドネシアに侵攻し、

18世紀以降続いてきた

オランダによるインドネシアの
植民地支配を終わらせました。

そして、インドネシア独立の
方針を推し進めていきます。

昭和20年3月には
独立準備委員会を発足、

8月19日に独立宣言する
という方針を決定して、

日本もまたこれを承認しました。

過酷な植民地支配を受けてきた

インドネシアにすれば希望の光
となった日本ですが、

逆にオランダから見れば
これは苦々しい記憶となります。

日本軍の侵攻によりオランダ軍人
4万人と民間人9万人が

粗末で不衛生な
抑留所に収容されました。

しかし、その収容所とはオランダ人が

インドネシア人従業員の
為に建てた宿舎であり、

自ら放ったブーメランが
自分に当たったようなもの。

オランダ人がインドネシア人に
行ったことを、

そのまま日本人に
されたという屈辱から、

戦後長らくオランダ人の
対日感情は良いものでは
ありませんでした。

日本側としては、

ジャワで拘留された民間人に
与えた損害について補償を実施。

さらにアジア女性基金により

医療福祉支援を個人に
対して追加実施しています。

しかし、日本としては充分すぎる
ほどの施しをしたはずですが、

オランダ人の対日感情は
改善しなかったのです。

とはいったものの、実は皇室と
オランダ王室の仲はとても良好。

お互いに何度も行き来があり、

平成12年5月、オランダ国女王陛下から
お招きがあり、ご訪問されています。

東京を御発された両陛下は

スイスに御立ち寄りの上で、
オランダ・アムステルダムに御着されました。

空港での歓迎式典ののちに、
王宮に御入りになります。

午後、王宮の正面にあるダム広場に建つ
戦没者記念碑に、両陛下がご供花。

両陛下の身じろぎひとつない
真摯なる黙祷は1分間にも渡って続き、

その様子はメディアを通じて
オランダ全土に報道されました。

この時、ベアトリクス女王は
目に涙を浮かべていたそうです。

両陛下のご訪問にあたって

オランダのメディアは過去の
戦争問題を中心とした報道を
けたたましく重ねていましたが、

このご供花以降、そういった
報道はピタリと治るのです。

翌日にはオランダ国民を
ほっこりとさせる報道が発信されます。

アムステルダムのミチルスクールを
お訪ねになった両陛下。

ミチルスクールとは

モーリス・メーテルリンク作の童話
「青い鳥」の登場人物チルチルと
ミチルから名付けられ、

脳障害、筋ジストロフィー、

交通障害などを抱える児童生徒
二百人強が在籍する養護学校です。

両陛下が施設に御着された時、
児童たちは中庭で絵を描いていました。

和やかなお出迎えを受けられた

両陛下は睦まじく交流を
持たれていましたが、

皇后陛下が机に伏せたままの姿で
動かない女の子にお気づきになります。

金色に光るおもちゃの王冠を
頭に載せたその女の子は、

両陛下をお迎えしようと
張り切りすぎてしまい、

御着前には疲れて
眠り込んでしまっていたのでした。

起こしてしまうのもかわいそうだと
皇后陛下はそのままにされていましたが、

はっと目を覚ました女の子は既に
お出迎えが終わってしまったことを

察知して泣き出してしまいます。

すぐに走って皇后陛下の
元へ駆け寄った女の子。

するとスタッフの頼みもあり、

皇后陛下は女の子を
御抱きしめになったのです。

歓んだ女の子は皇后陛下に
ぎゅっとしがみつきました。

この写真はオランダで大々的に
報道され、反響を呼びます。

翌日のライデン大学の寮の前で
窓から身を乗り出した女子大生と

楽しげに語らいになる両陛下の
ご様子の報道とともに、

両陛下の垣根なく優しく
振舞われるお人柄を
的確に周知させたのです。

オランダご訪問前のどちらかといえば
批判めいた現地の報道は姿を消し、
歓迎ムードに染まっていく
様子は不思議なもので、

これぞやはり両陛下の成せる賜物です。

皇室外交には1,000人の外交官の
価値があるなどという比喩がありますが、

5年後の平成17年6月に
米国の独立系世論調査機関
ピュー・リサーチセンターが

発表した調査によると、

オランダ人の68%が
日本に好印象を持っているとのこと。

好感度の高さは単に好かれて
嬉しいというだけでなく、

現地での信用にも繋がり、
ひいてはビジネスにも影響します。

両陛下のご訪問でせっかく
上がった評判ですから、

むざむざと落としたりしたくないものですね。